上画像は音詰まり等の症状で当店に持ち込まれたFender American Vintage 62 Jazz Bassです。フレットの摩耗・凹みに加えて浮き上がりも多発していました。以下フレットすり合わせの一例としてレポート。 続きを読む フレットすり合わせの例:Fender American Vintage 62 Jazz Bass
「修理・調整例/リぺア・メンテナンス例」カテゴリーアーカイブ
70年代中期Fernandes Fretless PB Typeのレポート
お客様のご依頼でメンテナンスさせていただいたFernandesのPB Typeのフレットレス仕様です。ロゴから70年代中期のものであるのは間違いないかと思います。持ち主様はフリマアプリで見つけてご購入されていて、そこではFPB-50BLと案内されていたようですが、当時のカタログには掲載のない型番で詳細不明。カタログにはフレットレスモデルが掲載されてはいるのですが本機とはどうも違うようですし、おそらくは既存モデルを基本にしたカスタムオーダーではないかと推察しています。メイプルネックにバインディング付きの貼りメイプル指板、フレットラインはない仕様。弦長はポジションマーカーの位置から一般的なロングスケールより若干短い851mm(約33.5inch)くらいの設計と思われます。指板面はポリ系の塗装がされています。ボディ材はよくわからなかったのですが、やや赤みのある散孔材でラワンのような雰囲気の材でした。今回当店ではネック調整等の基本調整に加えナット溝の修正、PU以外の電気パーツの入れ替え・再配線、ピックガードの止めビスの交換、折れてしまったビスのサルベージとねじ穴修理などです。
メンテナンス後のサウンドチェック動画。
まず指弾き。
ピック弾き。
ST Typeギターのレストア/オーバーホール例:1979年製Greco SE800
上画像は1979年11月製造のGreco ST Type、確認できるスペックから型番はSE800です。長期間放置されていたものですが、持ち主様より再びギターを始めるにあたってのメンテナンスのご依頼を頂きレストア/オーバーホールを行わせていただきました。
お預かり時の主な問題点は以下の通り。基本的な調整だけでは全くバランスはとれない状態でした。
- ネックの反り・歪み、フレットの摩耗・浮き上がり
- アンプにつないでも音が部分的にしか出ない
- ネックポケットの謎のシム
- 金属パーツの汚れ、腐食
以上を中心にメンテナンスを実施、新品に負けないストラトタイプらしい音と演奏性、経年変化による貫禄が同居する仕上がりにできたかと思います。
ご興味ある方は以下詳細もご覧いただければ幸いです。 続きを読む ST Typeギターのレストア/オーバーホール例:1979年製Greco SE800
1968年製 Guild X-175メンテナンスとサウンドチェック
メンテナンスでお預かりした1968年製Guild X-175です。ミディアムスケールにプライウッドのボディは17インチ幅の深胴、オリジナルのハムバッキングPUを2機搭載しています。当店で行ったメンテナンスはフレット擦り合わせとナット交換、ネック調整などの基本調整です。今回交換したナット以外はオリジナルパーツのままと思われます。弦はDaddario EJ21(12-52のラウンドワウンド弦、3弦巻弦)をレギュラーチューニングで張り、弦高は1弦12フレット1.4mm、6弦は1.9mmほどに調整しました。
サウンドチェック。最初に指弾き。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。
ピック弾き。
Ibanez LR-10 リー・リトナーモデルセミアコのメンテナンス
上画像はIbanez LR-10、1983年フジゲン製造のリー・リトナーモデルです。当店で調整させていただいたものですが、珍しい機種なのでレポートさせていただきます。
今回当店で行ったメンテナンスはネック調整などの基本的調整と、打痕の簡易補修、割れたエスカッションの補修です。本機は改造やパーツ交換などはなくオリジナル状態を保っていました。Lee本人の意向を取り入れていてデザインされたものと思われますが、特に強い拘りが感じられるのはネック。マホガニー+メイプル+マホガニーのネックは当時のメーカー製品ではめずらしかった非対称シェイプ、さらに指板は当時すでに希少材だったブラジリアンローズウッドにブラスナットという仕様。フレットは実測で幅2.7mm、高さ1.1mmくらいのミディアムサイズ。ピックアップがLeeの名前を冠したオリジナルモデルであることや、センターブロックがマホガニー(セミアコの代名詞ES-335はメイプル)である点などもポイントかと思います。
サウンドチェック。ES-335比べると軽やかな印象でしたが、ミュージシャンモデルにありがちな癖の強さはなく色々なジャンルで使えそうな感触でした。
クリーン。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。
ちょっとだけ歪ませたクランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。
ゲイン高めのクランチ。機材は同じ。