画像のSGは2000年製のGibson SG Stnadardです。すでに売り先が決まっているのですが、中古品として販売する前にどういったメンテナンスを加えているかの例として紹介します。興味がある方は以下ご参照ください。
「修理・調整例/リぺア・メンテナンス例」カテゴリーアーカイブ
フレット交換例②1979年製 YAMAHA SA-2000
79年製のYAMAHAセミアコのフレット交換を行わせていただきました。フレット交換の例としてご紹介します。
フレット交換前の主な症状と作業後の改善状況は以下の通り。
①元のフレットの高さは低いところで0.7mmくらいまで摩耗
⇒新しいフレットは国産のナロージャンボ。高さ約1.3mm。
②バインディングが収縮し剥がれも散見。指板との段差があったためほぼすべてのフレットの両端とバインディング間に隙間。
⇒段差と隙間解消。バインディングの剥がれ解消。
③ネックは順反り大、トラスロッドで調整しきれなかった。
⇒ノーマル弦・チューニングで適切な具合に。
⇒トラスロッドは閉まり気味だが、少し調整の余裕も確保。
以下作業途中の状態を順にご紹介。
フレット交換例① 1980年製Gibson Les Paul Standard
フレット交換例の紹介。ギターはGibson Les Paul Standard、1980年製です。現在のナッシュビル工場の前のカラマズー工場で生産されたレスポールでラージヘッドに3ピースメイプルネック、PUはパテントナンバーが刻印されたものが搭載されています。
もともと打たれていたフレットは幅が約2.8mmのワイドフレットでしたが、過去の擦り合わせによるものか、あるいは最初からそうだったのか(いわゆる「フレットレスワンダー」だったのか)、かなり低く平らになっていました。今回はご依頼主様が試してみたかったというJescarのナロージャンボ(ナローハイ、型番55090、幅2.28mm、高さ1.40mm)に交換しました。 続きを読む フレット交換例① 1980年製Gibson Les Paul Standard
1ピース ローウッドネックTL Thinline Type
1ピースローズウッドネックのTL Thinline Typeをメンテナンスでお預かりしました。珍しい仕様なので、レポート。
大まかな仕様は以下の通り。
アッシュボディ、ホロウ構造、ハードなエイジド加工
1ピースローズウッドネック、21フレット、無垢牛骨ナット、クルーソンペグ
Joe Bardenブリッジプレート&ブリッジ(ブラスサドル)
Fender Custom ShopのPUビルダーJosefina CamposのTwistedTele PU、CTS Custom POT(A250kΩ)、Jupiter Capaciter(0.05μF)、Cloth Wireによる配線、4点レバースイッチ(通常の3点のポジション+シリーズ接続)
本機は既製品ではなく、持ち主様がこだわりぬいたセレクトのパーツを集めて組み立てられたコンポーネントギターです。ヘッドにFenderのロゴは貼ってありますが、これは遊び心で張ったもの。ネックは米国の有名パーツブランドのFenderライセンス品。ボディも同様でエイジド加工も加えたうえで組み上げられています。今回ネック回りのメンテナンスでお預かりして、当店でフレット擦り合わせとナット交換(Task製を無垢牛骨製に)と全体的な基本調整をさせていただきました。
音の傾向としては軽やかでシャッキリした感触。アッシュボディのギターは個体差が大きく、音色の典型傾向は一つではないですが、経験的に本機の音もシンラインタイプでは典型サウンドの一つかと思います。ローズウッドのネックという特異性もありますが、とびぬけてメイプルネックシンラインタイプと差がある感じではありませんでした。しいて言えばメイプルネックよりもすっきりした音像のようにも思いました。
サウンドチェック。まずはクリーン。アンプはFender Vibro King。アンプ直。EQは少し中低域側の強調にセット。
クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。
先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。アンプの前だと少しハウリングするくらいのゲイン設定にしています。
TL Thinline Type コンポーネント制作
こちらはご依頼主ご自身が集めたボディ、ネック、PU等のパーツを当店がお預かりしてコンポ―ネント、調整をさせていただいたシンラインタイプです。パーツ持ち込みでの制作例・調整例としてご紹介します。大雑把な仕様は以下の通り。
・木材構成はサーモウッドメイプルネック、ジリコテ指板、ボデイはフレイムメイプルトップ、マホガニーバックのシンラインタイプのホロー構造。
・エイジド加工されたボデイ、ピックガード。
・PUはSeymour Duncan SH18の2ハム仕様、通常の2PUテレキャスコントロールにリアのみシリーズ/パラレル切り替えのミニスイッチを増設。ケーブルはノンシールドタイプで配線。
・金属パーツはすべてゴールドを基調としたセレクト。
古いレスポールのようなサンバースト塗装のボディと金属パーツの組み合わせが上品な印象ですが、金メッキは劣化しやすいので、しばらく使うとボディのエイジド加工によりマッチしてきて違った魅力も出てきそうです。
サウンドチェック。まずはクリーンサウンドから。アンプはFender Vibro Kingでアンプ直。
クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。
先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。
「ジリコテ指板」「サーモウッドネック」という組み合わせは初めてだったのですが、違和感ようなものは全くなく、クリーンでも歪でも、あるいは生音でも気持ちよく弾ける音に仕上がったと思います。2つののハムバッカーの組み合わせだけでも楽しめますが、リアのパラレルがサウンドバリエーションを加えているところも面白いです。リアパラレルのみだけでなく、リアパラレルとフロントのミックスサウンドやリアのトーンを絞った音なども私にとって気持ち良いポイントが多く興味深い仕上がりになりました。
弦はDaddario EXL110(10-46)でレギュラーチューニング、弦高は1弦12フレット1.3mm、6弦は1.8mmに調整してあります。
以下、各部詳細。