「Modify」カテゴリーアーカイブ

ノーマルなテレキャスターでハムバッキングサウンドを出す改造例

ノーマルの2シングルコイルのテレキャスターの電気回路に工夫を加えてハムバッキングサウンド(シリーズ接続)を出す改造は比較的ポピュラーかと思います。シャープな音像が持ち味のテレキャスターですがここ一番というときに太い音が呼び出せるようになり表現の幅が広がります。実際どんな音になるかの参考として当店でその改造を行ったテレキャスターのサウンドチェック動画を紹介いたします。

クリーンサウンドでのチェック。動画前半は同じようなフレーズでノーマル(シングルコイル)とシリーズ接続(ハムバッキング)の音を比較、後半は通してシリーズ接続で弾いています。

クランチサウンドでのチェック。動画前半は通してシリーズ接続、後半はノーマルとシリーズを交互に弾いて比較。

 

今回の例ではToneノブを引っ張る(Pull)にすると二つのシングルコイルPUがシリーズ接続となるハムバッキングサウンドに切り替わります。ハムバッキングサウンド時は3wayスイッチはキャンセルされます。対象のギターはFender Japan のEシリアルのテレキャスター、PUは現行USA Fenderの64Telecasterセットとなっています。

この改造の詳細については以下紹介。 続きを読む ノーマルなテレキャスターでハムバッキングサウンドを出す改造例

Ibanez AR-500CS オーバーホール例

レア機種、Ibanez AR-500CSのオーバーホールをやらせていただきました。

当店でオーバーホールをやらせていただいた1982年製のIbanez AR-500CSです。もともとは3Band EQやブースターを搭載したアクティブサーキットでしたが、今回はご依頼主様と相談の上、比較的シンプルなパッシブサーキットへ変更。と言っても3wayミニスイッチも搭載していてハムバッキングサウンド+2種類のシングルコイルサウンドが選択できサウンドバリエーションは豊富です。フレットはジャンボフレットへ交換、同時にナットも新調、ネックのねじれもありましたが指板修正でこれを解消、さらに経年劣化で収縮しボロボロに崩れていたボディとネックのバインディングを補修・補強しました。

サウンドチェック。

クリーン。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。ブリッジ下のブラスサステインブロックの効果か音が良く伸びます。

 

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

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Greco/Roland GR G-808のテールピースのカスタマイズ

ブラス削り出しテールピースに木材を貼ったテールピースをカスタマイズ。

ギターシンセの黎明期にGreco Rolandブランドで販売されていたGR G-808のテールピース(上画像の赤で囲った部品)のカスタマイズ・修理をさせていただきました。需要は少なそうですがせっかくの施工例だったので以下紹介。

オリジナルではブラスを削り出したテールピースの上部にフラットな木材の飾り板を単純に貼っただけの仕様だったそうですが、お預かりの時点ではこの木板は剥がれてしまっており、テールピースの上面の平らな面にあまり美しくない接着剤の痕がむき出しになっていました。そのままでも使用上は問題なかったのですが、今回当店で新しく木材の飾りを貼り付け、形を整えるという作業をやらせていただきました。ただ板を貼るだけだと板の端角が手にあたるとのことでレスポールタイプのような一般的なテールピースの形状のような丸みのある形にアレンジしました。

こちらはネットで拾ったGR G-808の画像。(今回の実機の施工前の画像は撮り忘れてしまいました・・・)テールピースの上面に平らな薄い木材の板が貼られています。
こちらはカスタマイズ完了したテールピース。上部はローズウッドを削り出して画像の通り丸みをつけた形に加工したのがポイント。ローズウッド部分は塗装はせず指板用のオイルと木部用ワックスで仕上げてあり手触りも良好です。自画自賛になってしまいますが、見た目も高級感がオリジナルよりもいい感じでは・・・。ブラスのベース部分は表面がくすんでいたので軽く表面を研磨してありますが、ギターに取り付けた際に他の部品との兼ね合いで研磨材は使用せず敢えて紙やすりの擦過痕を残しています。
反対側から見たところ。オリジナルは木目の方向は弦と同じ方向なのですが、今回は弦と垂直の方向にしてます。この方が耐久性もあると考えての処置です。
側面。ブラス部分と木部の境界部は面をしっかり合わせてあるので引っ掛かりはありません。面があっていることで一体感があります。
ギターに乗せてみたところ。テールピースの木部にローズウッドを選んだのはピックアップカバーと色合いが近く、木目の方向をボディの木部と揃えなくても見た目のバランスも問題ないでしょう。画像でも違和感なく自然に収まっているように見えます。

今回のような「金属と木材を貼り合わせる」という種類のギターパーツのカスタマイズ・修理の需要は非常に少なく、当店を含めどこのリペアショップでも修理メニューには載っていませんが、メッキ加工してあるものを除く金属と木材の組み合わせであれば可能な場合があります。もし同様のカスタマイズのご要望あれば遠慮なくご相談ください。

Fender Blues Junior 等にお勧めのModify紹介

人気の小型アンプ、Fender Blues Juniorの改造サンプルを設置!試奏もOK!

Blues Juniorは自宅での練習からちょっとしたライブまで活躍する小型真空管アンプで所有している方も多い機種かと思います。しかし比較的小型ではあるものの日本の一般家庭用途としてはちょっと爆音だったりしますし、その名からも想像できるある意味で頑固なトーンに「基本的なキャラは好きなんだけどもうちょっと〇〇にならないかなぁ。」といった感想を持たれるギタリストも多いのでは・・・。本ページではそうした悩めるギタリストにオススメの改造をいくつか紹介いたします。

まず、その改造を施したBlues Juniorのサウンドサンプルをどうぞ。(すべてエフェクトは一切なしでアンプ直。)

クリーン。付加機能によりノーマルのBlues Juniorよりもハイ、ローともに少しレンジが広めの音になっています。

 

クランチ①、先のクリーンのEQセッティングのままFatをOnにし、Volumeを30%くらいにしたほんの少し歪んだセッティング。

 

クランチ②、こちらはVolume80%程度まで上げた比較的ハードな歪み。太めの音を狙いハイを抑える付加機能をOnにしています。

以上3つのサンプルの改造ポイントはそれぞれ異なっていて以下に紹介する6つの音色変更機能をそれぞれ組み合わせた音になっています。紹介するその音色変更機能と低出力モードの追加とインプットジャックの堅牢化ですが、実際にはすべての改造をするのではなく、「自分好みにするのに必要な改造だけを行う」と考えるのがお勧めです。当店で改造サンプルとして置いているBlues Juniorについては紹介するすべての改造を行い、音色変更機能についてはそれぞれスイッチ切り替えでON/OFFを可能にしているのでご自身のギターを持ち込んで試奏、お好みの改造を探ることが可能です。気になった方、ご遠慮なくご相談ください。

以下詳細紹介いたします。

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Telecaster Thinline Neck PUをCharlie Christian PUに換装。

Telecaster ThinlineのフロントPUをCharlie Christianタイプへ換装。

上画像は当店でフロントPUをノーマルなものからCharlie Christian タイプに換装させていただいたFender Custom Shop製のTelecaster Thinlineです。

サウンドチェック。アンプはFender Vibro King。

最初にクランチサウンド。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

比較にPU交換前の同セッティング。

最後にクリーン。エフェクトなし。結構太い音なので、トーンを絞った音を多用する人は低音弦側は弦から離した方がバランス良いかも(今回PUと弦の距離は1弦側21フレットを押さえた状態で2.5mm、6弦側3.0mmにセット)。

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