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Gibson ES-330にBigsby B3を取り付け前後のサウンドチェック


ギターのボディトップにネジ穴を開けずに比較的簡単に取り付けできるBigsby B3をGibson ES-330に取り付けるご依頼をいただきました。取り付けの前後でサウンドの変化に興味がある方は多いと思いますが、今回取り付け前後でサウンドチェックしてみましたので以下ご参考まで。

あくまで主観ですが、結果は「音は大きくは変わらないものの、低音が強くなった感じがしたのと(特にフロントPUで感じた)、高域のチャキチャキチャリチャリした感触が少し増えた感じがしました。以前Bigsby B7が搭載されたES-330を所有していて、それについてはBigsby 未搭載との差をかなり顕著に感じたのを覚えていますが、今回のB3については比べて小さな差異でした。B3はもともとB7に比べユニットが小さいですし、サドル部分での弦の角度が非常にかなり緩くなるので大きく違って当然かとは思います。もしBigsby取り付けする場合、「取り付けは比較的簡単で音色の変化は少ないB3」、「取り付けの手数は多いが音色変化は顕著なB7」というのを念頭に置くと良いと思います。

今回のES-330の場合、オリジナルの状態ではブランコテールピースでもともとブリッジサドル部の弦の角度は緩めでしたが、Bigsby B3に交換した結果その角度はさらに緩くなりました。理論上はサステインが少し減少していそうですが弾いていた感触ではそれはあまり感じませんでした。元々フルアコ構造という事もあってちょっと音量を上げるとフィードバックするギターですのでアンプを通した演奏では生音サステインの弱さはあまり欠点にならないと思います。

サウンドチェック。アンプはFender Vibro Kingでアンプ直。ボリュームを絞っている箇所では目盛り9で弾いています。トーンはフルのまま固定。まずは取り付け前。

 

取り付け後。

B3取り付け後のブリッジサドル部の弦の角度は6弦の実測で6.5°くらい。弦高は1弦12フレット1.3mm、6弦は1.8mmにセッティング。かなり緩い角度ではありますがこの状態で弦の振動も正常(ビリツキやブリッジとトレモロの間の弦に振動が逃げない)です。

大分前に撮ったものですが、B7ユニット搭載のES-330の動画もあったのでご参考までに。

このES-330は新品時からB7が搭載されていました。B3はボディサイドのみの固定ですが、このB7はボディトップ側にもしっかりネジ止めが行われていたことからボディ内側にそのネジを受け止めるブレーシングや柱的なブロックなどがあったと思われます。元々ブランコテールピース仕様のES-330やCASINOの場合はそれらはなく、ボディトップにいきなりネジ止めするのは心もとない構造でお勧めできませんが、ねじ止め不要でB7ユニットを取り付けできるVibramateという付加パーツを使用すれば取り付け可能で、直にねじ止めとはまた違った音にはなると思いますが、それでもユニットの構造上はB3に比べてより顕著に音色の差は出ると思います。ES-330やCASINOで「リードも弾きたいけど、音が軽やかすぎてイマイチ」と思っている人はB3よりもB7ユニットを搭載させたほうがそれらを解消する方向への音色変化を期待できると思います。