「改造例/カスタマイズ・モディファイ例」カテゴリーアーカイブ

Telecaster Thinline Neck PUをCharlie Christian PUに換装。

Telecaster ThinlineのフロントPUをCharlie Christianタイプへ換装。

上画像は当店でフロントPUをノーマルなものからCharlie Christian タイプに換装させていただいたFender Custom Shop製のTelecaster Thinlineです。

サウンドチェック。アンプはFender Vibro King。

最初にクランチサウンド。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

比較にPU交換前の同セッティング。

最後にクリーン。エフェクトなし。結構太い音なので、トーンを絞った音を多用する人は低音弦側は弦から離した方がバランス良いかも(今回PUと弦の距離は1弦側21フレットを押さえた状態で2.5mm、6弦側3.0mmにセット)。

続きを読む Telecaster Thinline Neck PUをCharlie Christian PUに換装。

1ピース ローウッドネックTL Thinline Type

メンテでお預かりしたコンポーネントTLシンライン。珍しいローズウッドネック。

1ピースローズウッドネックのTL Thinline Typeをメンテナンスでお預かりしました。珍しい仕様なので、レポート。

大まかな仕様は以下の通り。

アッシュボディ、ホロウ構造、ハードなエイジド加工

1ピースローズウッドネック、21フレット、無垢牛骨ナット、クルーソンペグ

Joe Bardenブリッジプレート&ブリッジ(ブラスサドル)

Fender Custom ShopのPUビルダーJosefina CamposのTwistedTele PU、CTS Custom POT(A250kΩ)、Jupiter Capaciter(0.05μF)、Cloth Wireによる配線、4点レバースイッチ(通常の3点のポジション+シリーズ接続)

本機は既製品ではなく、持ち主様がこだわりぬいたセレクトのパーツを集めて組み立てられたコンポーネントギターです。ヘッドにFenderのロゴは貼ってありますが、これは遊び心で張ったもの。ネックは米国の有名パーツブランドのFenderライセンス品。ボディも同様でエイジド加工も加えたうえで組み上げられています。今回ネック回りのメンテナンスでお預かりして、当店でフレット擦り合わせとナット交換(Task製を無垢牛骨製に)と全体的な基本調整をさせていただきました。

音の傾向としては軽やかでシャッキリした感触。アッシュボディのギターは個体差が大きく、音色の典型傾向は一つではないですが、経験的に本機の音もシンラインタイプでは典型サウンドの一つかと思います。ローズウッドのネックという特異性もありますが、とびぬけてメイプルネックシンラインタイプと差がある感じではありませんでした。しいて言えばメイプルネックよりもすっきりした音像のようにも思いました。

サウンドチェック。まずはクリーン。アンプはFender Vibro King。アンプ直。EQは少し中低域側の強調にセット。

 

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。アンプの前だと少しハウリングするくらいのゲイン設定にしています。

続きを読む 1ピース ローウッドネックTL Thinline Type

ピックガードの修正、側面テーパー変更、ねじ穴の位置修正の例

Fender Japanの初期ジャズベースのピックガードをヴィンテージに近づけるためにセルロイド製に交換。ヴィンテージではピックガード側面のテーパーが現代よりも緩かったのでそれの再現も狙って側面加工もしてあります。

フェンダータイプのギター・ベースでは交換用のピックガードの既製品が多数流通しており、比較的簡単に好みの色や柄のピックガードに換装できます。が、実はそういったピックガードに交換する際「ネジ穴が合わない」「形・サイズが微妙に合わない」「微妙にデザインがことなる」という事もよくあり、以外と手間がかかったり、自分ですべて対処するには難しすぎたりするケースも多いようです。今回はそういった「別売りピックガードの取り付け」と「ピックガードのデザイン変更改造」の例です。

今回の初期Fender Japanのジャズベースの持ち主さんからの依頼は「ヴィンテージ仕様に近づけるため、ピックガードをセルロイド製に交換したいが、入手したピックガードだとサイズやネジ穴位置がかなりずれていてそのままでは取り付けられないので必要な対処をお願いしたい。また、ヴィンテージではピックガード側面のテーパーが現行品よりも緩く、ピックガードの積層構造がよりわかりやすく目立つが、その仕様に近づけたい」というものです。以下詳細を紹介。

続きを読む ピックガードの修正、側面テーパー変更、ねじ穴の位置修正の例

TL Thinline Type コンポーネント制作

お持ち込みいただいたパーツを組み上げて完成したTL Thinline Type!

こちらはご依頼主ご自身が集めたボディ、ネック、PU等のパーツを当店がお預かりしてコンポ―ネント、調整をさせていただいたシンラインタイプです。パーツ持ち込みでの制作例・調整例としてご紹介します。大雑把な仕様は以下の通り。

・木材構成はサーモウッドメイプルネック、ジリコテ指板、ボデイはフレイムメイプルトップ、マホガニーバックのシンラインタイプのホロー構造。

・エイジド加工されたボデイ、ピックガード。

・PUはSeymour Duncan SH18の2ハム仕様、通常の2PUテレキャスコントロールにリアのみシリーズ/パラレル切り替えのミニスイッチを増設。ケーブルはノンシールドタイプで配線。

・金属パーツはすべてゴールドを基調としたセレクト。

 古いレスポールのようなサンバースト塗装のボディと金属パーツの組み合わせが上品な印象ですが、金メッキは劣化しやすいので、しばらく使うとボディのエイジド加工によりマッチしてきて違った魅力も出てきそうです。

サウンドチェック。まずはクリーンサウンドから。アンプはFender Vibro Kingでアンプ直。

 

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

 

「ジリコテ指板」「サーモウッドネック」という組み合わせは初めてだったのですが、違和感ようなものは全くなく、クリーンでも歪でも、あるいは生音でも気持ちよく弾ける音に仕上がったと思います。2つののハムバッカーの組み合わせだけでも楽しめますが、リアのパラレルがサウンドバリエーションを加えているところも面白いです。リアパラレルのみだけでなく、リアパラレルとフロントのミックスサウンドやリアのトーンを絞った音なども私にとって気持ち良いポイントが多く興味深い仕上がりになりました。

弦はDaddario EXL110(10-46)でレギュラーチューニング、弦高は1弦12フレット1.3mm、6弦は1.8mmに調整してあります。

以下、各部詳細。

続きを読む TL Thinline Type コンポーネント制作

ピックガードのエイジド加工例

エイジド加工を加えたピックガード。

ピックガードのエイジド加工の一例です。

今回はお客様のご依頼でコンポーネント(ボディ、ネック他各パーツをお持ち込みいただいて組み立てと調整等を当店で実施)をさせていただいているシンラインテレキャスタータイプに取り付けるピックガードです。

エイジド加工前後、正面から見たところ。経年変化による焼けの再現を狙って染色を行っています。
「弾き傷」を再現した傷を入れています。当然ですが弦の下になる部分は比較的傷が入りにくいはずなので加工は少なめ、この画像の向きでピックガードの右側に多く弾き傷を入れています。
傷の入り具合がわかりやすいように背景を変えて撮影した画像(実際の色合いは先の画像の方が近いです)。蛍光灯の反射が少ない辺りが弾き傷を多めに入れています。
細かいところですが、汚れがたまりやすい部分もそれを再現してみました。実際に取り付けた際に矢印の弧の部分はコントロールプレートとの隙間になって汚れがたまりやすい部分です。もっとも見えにくい箇所ですし、こだわる必要はないかも。

今回はピックガードの留めネジの錆が広がったような茶色っぽい焼けの再現を狙っていますが、お好みによって黄色っぽくしたり、黒っぽくしたり、緑っぽくしたり、あるいは濃くしたり、薄くしたりもできます。

弾き傷については弾き手によって変わってくることなので、とびぬけて目立つような深い弾き傷はつけていません。それをしてしまうと実際に持ち主さんが弾きこんでいくことで違う場所に深い傷がついてきて不自然になってしまうかもしれないので・・・。あくまで実際の演奏でついてしまう傷が一番目立つようにという考えで加工しています。

今回「焼け」の再現にピックガード材を染色するという方法をとっていますが、この方法はピックガードは勿論、ボリュームノブやピックアップカバーなどの樹脂部品にも応用可能です。例えば「白のピックガードをごく淡いブルーのピックガードにカスタマイズ」、「白のノブをやや茶色っぽいミントグリーンにカスタマイズ」するなど色々考えられます。材質によっては染まりにくいもの、思ったよりも濃く染まってしまうものなど様々で100%狙った色になるわけではありませんが、通常の塗装のようにはっきりした色ではなく、地材の色の上に「淡い色合い」が乗る感じは味わいがあって面白いカスタマイズです。「他にない色あいの部品にしたい」といった個性派の方や市販のパーツには好みの色がない、取り付けたいギターと規格・サイズが合うパーツが見つからないといった場合の解決策にもなります。

こちらのストラトではピックガードは既製品(エイジドホワイト)のまま、ボリューム・トーン・スイッチの各ノブとピックアップカバーを「黄色っぽく焼けた感じ」を狙って染色しています。オリジナルの状態では白でした。