
Blues Juniorは自宅での練習からちょっとしたライブまで活躍する小型真空管アンプで所有している方も多い機種かと思います。しかし比較的小型ではあるものの日本の一般家庭用途としてはよっと爆音だったりしますし、その名からも想像できるある意味で頑固なトーンに「基本的なキャラは好きなんだけどもうちょっと〇〇にならないかなぁ。」といった感想を持たれるギタリストも多いのでは・・・。本ページではそうした悩めるギタリストにオススメの改造をいくつか紹介いたします。
ちなみに上画像は6つの音色変更機能と低出力モードの追加とインプットジャックの堅牢化を行ったFender Blues Junior Ⅲで、改造サンプルとして当店で展示させていただいており、以下に紹介する改造をご検討の方に試奏していただくこともできます。気になった方、ご遠慮なくご相談ください。


音色変更に関する改造は以下6種類。便宜上当店サンプルではすべてスイッチでノーマルと切り替えられるようになっていますが、スイッチをつけずに回路変更のみという事も可能です。
①Bright Selector
Blues Juniorのボリュームはもともとギターでいうハイパスボリュームのような回路になっておりボリュームが低い状態では高域優先で出力されます。本スイッチを搭載することでこの高域優先をOn/Offさせることができます。
②Boost Range Selector
Blues JuniorのFatスイッチはOnにすることでフルレンジでブースト(ゲインアップ)されるスイッチですが、このブーストサウンドはややブーミーすぎる場合があります。ブーストするレンジを中~高域側へシフトさせるスイッチを追加することでより扱いやすいブーストサウンドを出力できます。
③EQ Selector(Tweed / Blackface・Silverface Selector)
オリジナルのBlues JuniorのEQはTweed期bassman(5F6)由来の中~低域がやや強めのキャラクターですが、Blackface/Silver Face期のような中低域を少し押さえ比較的キラキラしたキャラクターも選択可能に。
④Mid Boost
Middleコントロールの範囲をブースト方向へシフトさせます。
⑤Presence Selector
Blues Juniorでは初期から一つ前のマイナーチェンジまで(Blues JuniorⅠ、Ⅱ)はマスターボリューム周辺で超高域側(Presence、Trebleよりさらに高域側)をある程度削る回路になっていましたが近年のバージョン(Blues Junior Ⅲ)では高域をそのまま出力する回路に変更されています。古い世代のBlues Juniorをお持ちで高域をもっとキラキラさせたい人や現行Blues Juniorだと高域が痛すぎると感じる場合などにスイッチ切り替えで都合の良い方を選択できます。
⑥Resonance
パワー段での低域出力制限を緩めるスイッチ。聴感上低域が若干プッシュされ、少しブーストがかかったようなサウンドになります。

以上で紹介した改造はBlues Juniorの兄弟機種(Blues DeluxeやBlues Deville等)は勿論、他のFender系アンプで適応可能・応用可能な場合もあるので、Blues Junior以外での適応にご興味ある方も遠慮なくご相談ください。勿論、ここでご紹介した以外の修理・調整・改造(例えば真空管やPOT、コンデンサ等老朽化パーツの交換、バイアス調整、パイロットランプやスピーカーの変更等)もどうぞ。