「修理・調整例/リぺア・メンテナンス例」カテゴリーアーカイブ

1968年製 Guild X-175メンテナンスとサウンドチェック

当店でメンテナンスさせていただいた68年製のGuildフルアコ、X-175。

メンテナンスでお預かりした1968年製Guild X-175です。ミディアムスケールにプライウッドのボディは17インチ幅の深胴、オリジナルのハムバッキングPUを2機搭載しています。当店で行ったメンテナンスはフレット擦り合わせとナット交換、ネック調整などの基本調整です。今回交換したナット以外はオリジナルパーツのままと思われます。弦はDaddario EJ21(12-52のラウンドワウンド弦、3弦巻弦)をレギュラーチューニングで張り、弦高は1弦12フレット1.4mm、6弦は1.9mmほどに調整しました。

サウンドチェック。最初に指弾き。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。

 

ピック弾き。

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Ibanez LR-10 リー・リトナーモデルセミアコのメンテナンス

1983年製のIbanez Lee RitenourモデルセミアコLR-10。

上画像はIbanez LR-10、1983年フジゲン製造のリー・リトナーモデルです。当店で調整させていただいたものですが、珍しい機種なのでレポートさせていただきます。

今回当店で行ったメンテナンスはネック調整などの基本的調整と、打痕の簡易補修、割れたエスカッションの補修です。本機は改造やパーツ交換などはなくオリジナル状態を保っていました。Lee本人の意向を取り入れていてデザインされたものと思われますが、特に強い拘りが感じられるのはネック。マホガニー+メイプル+マホガニーのネックは当時のメーカー製品ではめずらしかった非対称シェイプ、さらに指板は当時すでに希少材だったブラジリアンローズウッドにブラスナットという仕様。フレットは実測で幅2.7mm、高さ1.1mmくらいのミディアムサイズ。ピックアップがLeeの名前を冠したオリジナルモデルであることや、センターブロックがマホガニー(セミアコの代名詞ES-335はメイプル)である点などもポイントかと思います。

サウンドチェック。ES-335比べると軽やかな印象でしたが、ミュージシャンモデルにありがちな癖の強さはなく色々なジャンルで使えそうな感触でした。

クリーン。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。

 

ちょっとだけ歪ませたクランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

ゲイン高めのクランチ。機材は同じ。

 

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パーツ持ち込みのコンポーネントTL Typeの一例

ご依頼主様がセレクトした―パーツを当店で組み立て調整を行ったTL Type。

「ボディ、ネック、電気パーツ等それぞれお客様がセレクト、組み立てと必要な調整は専門店に依頼」というスタイルでほしい仕様のギターをゲットすることを考えている人は多いかと思います。テレキャスタータイプやストラトタイプは海外からのボディ・ネックの取り寄せも含めればかなりマニアックな仕様も実現可能で面白い選択肢ではあります。その一方でパーツ同士が微妙に合わない、木部加工を間違えたなどの失敗は多く、意外とハードルは高いとも言えます。自分ですべてやってみるのも一つの楽しみではありますが、「難しい箇所は無理をしないで部分的にショップに任せる」というのも良いかと思います。

上画像はほとんどのパーツをご依頼主様ご自身が用意、持ち込みで当店で組み立てと必要な調整を行ったテレキャスタータイプです。以下今回のポイントを紹介します。コンポーネントにご興味がある方の参考になれば幸いです。

完成した本機のサウンドチェック動画。

まずはクリーン。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。弦はエリクサーのOptiweb10-46でレギュラーチューニング、弦高はこのスタイルのギターとしては低めのセットアップ。

 

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

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かなり摩耗していたフレットを頑張って擦り合わせした1968年製 Gibson ES-335

当店でフレット擦り合わせをさせていただいたES-335,1968年製。

当店でフレット擦り合わせ等させていただいた1968年製のGibson ES-335です。かなりフレットが摩耗し、数か所についてはフレットが指板から浮き上がってきていました。またポジションマークに経年劣化で収縮、剥がれが生じ弦にあたって音詰まりやビリツキの原因になったりフィンガリングの邪魔に。さらにペグのブッシュが浮き上がっていてチューニングの妨げや余計なビリツキを誘ってました。ナットは元々交換されていたものですが、摩耗が限界。電気パーツについてはちょっとガリが気になったほか、リアPUのカバーがポールピースのピッチに若干あっておらずカバーが浮き、弦とPUとの距離がアンバランスになっていました。

ヴィンテージギターの場合、「多少弾きにくさが残ってもなるべくパーツ交換などはしない」というご希望は多く、今回もどちらかと言えばそうした案件。単純に演奏性だけ考えればフレットとナット、ボリュームとトーンは交換したっ方が良かったもののやはりそれでは音の変化も大きくなるもの。そこである程度の演奏性の回復を目指しフレット浮き補修とフレット擦り合わせ、ポジションマークの補修、リアPUカバーの微修正とつけ直しのみをさせていただきました。

結果的にフレットは一番低いところで高さ0.7mmとかなり低くなりましたがまずまずの演奏性は確保できています。弦高はとりあえず1弦12フレット1.5mmにセット。フレットだけ見ればもっと低い弦高も行ける状態に復帰していますが、今回手を付けなかったナットの状態も合わせると弦高を下げるのはこの辺りで折り合うのがよさそうです。

サウンドチェック。まずはクリーン。アンプは Fender Vibro Kingでアンプ直。

 

もう一本クリーン。WEEHBO Effekte JTM Driveを薄くかけています。

 

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

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オーバーホールした1979年製 FendEr Stratocatser、Seymour DUncan SSL-4

1979年製Fender Stratocasterのオーバーホールを行わせていただきました。

上画像は当店でオーバーホールした1979年製のFender Stratocaster。ネック順反り補正の指板修正とフレット交換、電気パーツの新調、フロイドローズタイプのロックナットに改造されていたのを木部補修しスタンダードな牛骨ナットに復帰などが主な施工内容。今回チョイスされたPUはでっかいポールピースでおなじみのSeymour Duncan SSL-4のストラトサウンドのサンプルとして動画を撮らせていただきました。

アンプ直のクリーン。アンプはFender Vibro King。SSL-4は「ハイパワーで太い音」という紹介内容が独り歩きしているようで「シングルコイルらしくない」と思っている方も多い印象がありますが、ちゃんとシングルコイルな音です。

 

セッティングを変えてもう一本クリーン。輪郭を際立たせる目的でアンプの前にWEEHBO Effkte JTM Driveを薄くかけています(Gain 30%くらい、Level高め)。

 

クランチ。歪はWEEHBO Effkte JTM Drive(Gain 70%くらい)

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

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