フレット擦り合わせ Before After ①

ローズウッド指板、ヴィンテージスタイルの細目のフレットのストラトキャスタータイプ(中古品として当店で買い取ったFender Japan ST62)のフレット擦り合わせの例、Before Afterです。

Before:フレット擦り合わせ実施前の状態

フレット擦り合わせする前の状態は以下の写真の通り。

ネック全体。指板の色がAfterに比べて薄いのは脂分が抜けているため。

ネック全体の写真だと個々のフレットの状態はわかりませんが、Afterの写真と比べていただくとフレットの「輝き」がかなり違うことに気づきます。フレット擦り合わせ前のフレット表面は「曇り」があります。この曇りはビブラートやチョーキング時の摩擦を大きくするため、フレット摩耗を加速する原因になります。また、指板全体を見るとローズウッドの色むらが結構あります。これは脂分が抜けた部分の色が薄くなっているためです。

ローポジション。他ポジションに比べて顕著に凹みができています。
1フレット付近。ピントがなかなか合わせにくく少し淡い画像になっていてわかりにくいのですが、実際はこの画像で見るよりも凹みはもっと激しく見えました。はっきりと凹みが確認できますが、実はこれくらいの状態でも凹みの深さは0.05mm弱くらいだと思います。
ミドルポジション(5~10フレット付近)。中央(8フレット)にピントを合わせています。よく見るとプレーン弦の部分ではわずかに凹みができてきているのがわかります。フレットがちゃんと固定されている場合はこれくらいならまだあまり問題にはならない程度の摩耗だと思います。
ハイポジション(11フレットより上のポジション)。画像では分からないかもしれませんが、ほんのわずか緩やかな凹みがプレーン弦側にみられます。ミドルポジションよりは軽症。この程度だと目視でも見落としてしまう事が多いのでは。

フレットの減りはポジション側の方が多く、特に1~3フレットのプレーン弦は顕著に凹みができていました。1,2弦は15フレットくらまでわずかに緩やかな凹みができていました。フレットの高さは一番高いところで約1.1mm、低いところで約1.05mmでした。ローポジションのフレットの凹みの深さは計測が難しいのですが、経験的に0.05mm弱程度と思われます。

ちなみに本機を買い取った時点での演奏性ですが1弦12フレット1.5mm、6弦は2.0mmくらいのセッティングだとプレーン弦1、2フレットで音づまりが出ていました。ネックの調整で音づまりまで至らないビリツキ程度に抑える事も可能かと考えられましたが、他ポジションとの音の違いは避けられませんでした。ミドルポジション以上はHeavy Gauge Guitars店主の弾き方の場合、ピッキングの仕方によってはちょっとビリツキが気になりましたが、演奏上は我慢できる程度でしたが、今回はローポジションの摩耗は見過ごせない状態だったので擦り合わせ実施。

もちろんできればここまで凹みが進行する前にフレット擦り合わせを行った方が良いと思いますが、当店に修理依頼されるフレット擦り合わせのネックでもっと激しく凹んでいる例も珍しくありません。今回の例の場合はまだ軽症の部類かもしれません。

After:フレット擦り合わせ後の状態

フレット擦り合わせ後の指板全体の状態。

Beforeと比べてフレット表面に輝きが出ているのがわかります(実際は画像よりももっとピカピカ)。また、指板はクリーニングの上、専用のオイルでコンディショニングしています。Beforeの状態よりも色が濃く、ムラも少なくなっています。

ローポジション。もともと凹みが一番大きかったポジションなのもあって、フレット擦り合わせで削った量はこのあたりが一番多いですが、それでもフレット高さはまだ十分あると思います。
1フレット付近。Beforeで見られた顕著な凹みは消失。この状態でフレットの高さは1.0mmよりほんの少し高いくらい。
ミドルポジション。写真だと輝き具合がうまく再現できなかったのですが、実際はもっとピカピカです。
ハイポジション。

擦り合わせの目的はフレットの凹凸をなくし、高さをそろえることですが、だからと言って全部のポジションを均一に削るというわけではなく、状態によって多めに削るところとそうでないところがあります。今回の場合、ローポジション側は顕著な凹みができていましたが、ミドルポジション以上は大した凹みはなかったので、ローをやや多めに(凹みが消失するギリギリくらい)、ミドルからハイはに向かっては徐々に削る量が少なくなるようなイメージです。

フレット擦り合わせ後、一番低くなったフレットの高さは1.0mmよりわずかに高いくらいになりました。今回のようなスモールサイズの幅の狭いフレットの場合はこれくらいの高さがあれば、演奏性を損なうことなく、長く付き合って行けると思って差し支えないと思います。

今回のギターは電気部分のオーバーホールなども加えて昨日売りに出しました。動画でのサウンドチェックも紹介しているので合わせてご確認ください(以下リンク)。

Fender Japan ST62 Special Mod.オーバーホール済み

 

Fender Japan ST62 Special Mod.オーバーホール済み お買い得品!(Sold Out)

Fender Japanストラト、オーバーホール済みのお買い得品!

素直な音質が特長のバスウッドをボディに用いることでエレキギター初心者や普段フェンダー系のギターを使わないギタリストにも扱いやすいサウンドを兼ね備えた国産ストラト定番機、Fender JapanST62 Lake Placid Blue、2010~2012年製です。Fender Japanの初期のころから製造され続け、Fender Japanブランドが終了した現在も「Japan Exclusive Clssic 60’s Stratocaster」「Made in Japan Traditional 60’s Stratocaster」と名称を変えつつほぼ同じ仕様のものが継続生産されています。

今回出品の本機はそこそこ弾きこまれてきたもので、塗装部の欠け、打痕等使用感はあるものの、フレット擦り合わせや電気部品を新品に交換するなど徹底オーバーホールを行い、現在は新品に負けない演奏性を確保。さらにトーンコントロールは2 Toneから「ハイカット」「ローカット」に変更し、初心者にもなじみやすくサウンドバリエーションもより広く仕上げています。これからエレキギターを始める学生さんや、セカンドギターとしてストラトも所有したい方などにオススメの一本!

サウンドチェック。まずはクリーンから。アンプはFender Vibro Kingでアンプ直です。

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

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Gibson Custom Shop 1958 Les Paul VOS P/P 2014年製 Hand Selected (Sold Out)

Jimmy Page No.2 Les Paul風に仕上げられたヒスコレ58レスポール!

Gibson Custom ShopのHistoric Collectionシリーズの最終年、2014年製の58年タイプレスポールです。1958年製モデルヒスコレ(型名LPR8)が基本となっていますが、ファンなら一目でわかる通りJimmy Pageの愛機No.2を模した仕様となっています。

ハンドセレクトのトップ材の美しいフレイム、渋い色合いのバーストカラー、エイジド加工が加えられたゴールドGroverペグ、PUはCustom Bucker(フロントはアルニコⅢ、リアはアルニコⅤマグネットでリアカバーなし)が演出する渋い外観はNo.2のそれですが、Pageファンでなくとも息をのむ渋さがあります。プッシュプルスイッチ搭載でサウンドバリエーションが豊富、幅広いシーンに対応できるでしょう。また、実際のNo.2と同じく、60年モデル風のスリムな握りに仕上げられたネックは手の小さい方、スリムネック好きな方にもうれしい仕様。Pageファンは勿論ですが、多くのレスポールファンにもお勧めの一本です。

前オーナーさんは本機を新品で購入後、あまり弾くことはなかったためフレットの摩耗はわずか、ボディサイドに後から入ったものと思われる傷(詳細後述)がありますが、もともと使用感を演出したVOS仕上げであることや、その傷よりもマホガニーの木目の方が主張するため目立たたず、実質新品時とほぼ同じ状態と考えていただいて大丈夫かと思います。

サウンドチェック。最初にクランチサウンド。アンプはFender Vibro King、歪はWEEHBO Effekte JTM Driveです。

Xotic BB Preampでゲインブースト。

最後にクリーン。シールドはBold Cable FATでアンプ直。

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Mad Proffesor Sweet Honey Over Drive(Sold Out)

定番オーバードライブ、Sweet Honey Over Drive中古、再入荷しました!

ピッキングへの追従やボリューム操作への反応が非常に良好で多くのギタリストに評価されている定番オーバードライブ、Mad Professor New Sweet Honey Over Drive、再入荷いたしました。「オーバードライブ」ではありますがゲインの幅も広く、本機一台でクリーンの味付けからクランチ、ハードロックが出来る位の歪までこなせる幅広さがあります。また、ピッキングコントロールやギター側のボリュームコントロールによって音色の変化も「ピュアなアンプの歪み」を彷彿とさせる使い勝手の良さもポイント。お使いのチューブアンプをプッシュするゲインブースターとしての使用でも威力を発揮します。

オーバードライブペダルのヒット機種は多種ありますが、選択肢がたくさんあり過ぎて迷ってしまっているなら本機はイチ押しです。

本体のみで箱等不足品はございませんが、大事に使われていたようで目立った傷等はなく使用感はわずか。新品をお探しの方にもお勧めです。

コントロールはボリュームとドライブ、Focus(トーン)のみとシンプルですが、ゲイン幅は広く、Focusの位置によって多様な音色も生み出してくれます。
側面。中古品としてはとてもきれいな状態。ノブやジャックのガリもありません。国内正規代理店のシールが貼られていることから正規輸入品であることがわかります。
バックパネル。
電池はバックパネルを外してセットします。もちろん9Vアダプターでも稼働。

 

以前当店で同機を出品した際に撮影した動画です。ご参考まで。

シングルコイルのギター。

ハムバッカーで。

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YAMAHA SR-700 お買い得レストア品!(SOLD OUT)

40年ほど前に製造されていたYAMAHAのストラトタイプ最上位機種、お買い得のレストア品!

1970年代末から80年代初期の短い期間のみ製造されていたYAMAHAのストラトタイプ最上位機種SR-700です。長い間放置されていてあちこちに不具合が出ていましたが当店でレストア(電気パーツやビス類の交換、フレット擦り合わせ、徹底清掃等、詳細後述)を行い、新品に負けないプレイアビリティを確保。さらに、外観も40年前のギターとしては綺麗といえる状態にまで復帰しています。ジャパンヴィテージファンの方は勿論、手ごろな価格のストラトタイプをお探しの方にもお勧めです。

サウンドチェック。まずはクリーン、アンプはFender Vibro King、エフェクトなし。

クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

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