2シングルPUのノーマルなテレキャスタータイプにおいて「ミニスイッチ追加や4wayレバースイッチ化で2つのシングルPUをシリーズ接続した音を出せる」というカスタマイズは比較的よく知られており当店でも時々ご依頼をいただいていますが、今回は珍しく「押しボタンスイッチを2つ付けて一つはシリーズ接続、もう一つはキルスイッチにしたい」というご依頼を頂きました。ご依頼主様にご許可を頂き押しボタンを追加したカスタマイズ例としてサウンドチェック動画とカスタマイズ部の画像を以下アップいたします。
まずサウンドチェック、クリーン。アンプはFender Vibro Kingでエフェクトなし。動画前半はノーマルの2シングルPUで、後半はシリーズ接続です。
クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。動画前半はノーマルの2シングル、後半はシーズ接続。
先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト、チューニングはドロップD。動画前半はノーマルの2シングルPU、中盤はシリーズ接続、終盤はキルスイッチを利用したスイッチング奏法をチェック。
エレキギターでは押しボタンスイッチを搭載している機種はごく一時期製造されていたリアハム仕様(レースセンサーのシングルサイズ二つのシリーズ接続)のFender Jeff Beck StratocasterやYAMAHAのSuper Jamシリーズのコイルタップスイッチが思い浮かびます。FenderのS-1スイッチも押しボタンではありますがどちらかと言えばPushPush式のスイッチPOTといった方が良さそうです。60年代のビザールギターでは家電用のスイッチをそのまま流用したものが結構あります。いずれにしても現代ではプッシュボタン仕様は珍しく、カスタマイズ例も少ないので今回は良い経験になったかと思います。
押しボタンはミニトグルスイッチやプッシュプルPOTに比べて圧倒的に操作しやすい点は特筆です。多少スイッチやノブが混みあっていても隣のノブやトグルを誤操作してしまうことも少なく、操作性は一番と言って差し支えないでしょう。一方で構造がやや複雑だったり、その構造ゆえ耐久性に劣る面も否めない点、さらに取付け自体が難しい場合も多く、カスタマイズの手間が大きいといった点もあり、そこはデメリットかもしれません。スイッチのラインナップ自体はミニトグルに比べると少ないですが、一般的なシリーズ接続切り替えやコイルタップなどの機能に対応したものは揃っていて対応可能です。
総じて押しボタン追加のカスタマイズは操作性の良さや個性的な見た目になどがポイントで拘り派の方にお勧めなカスタマイズかと思います。押しボタンによるカスタマイズにご興味がある方やご検討中の方、遠慮なくご相談ください。