上画像は当店でオーバーホールさせていただいたFender Japanの最初期製造品JV SerialのTelecaster Custom(おそらく型番TC72-65)です。現オーナー様は最近本機を譲り受けたとのことで、「まずはちゃんと弾ける状態にしてしばらく弾きこんでから必要に応じて今後どうするか考えてゆく」という方向性でオーバーホールさせていただきました。フレットの凹みが結構あり交換しても良い状態ではありましたが、とりあえずはフレット擦り合わせで対処。PU以外の電気パーツは無事なものもありつつ劣化で動作不良が多々あったので安心のため新品に総入れ替え・再配線。あとは錆びたビスも全て新品に交換し、ブリッジやペグは分解してクリーニングしました。
サウンドチェック。まずはクリーン。アンプはFender Vibro King、エフェクトなし。
もう一本クリーン。こちらは指弾きでアンプの前にごく軽くオーバードライブ(WEEHBO Effekte JTM Drive)をかけています。
クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。
先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。
Fender Japan JV SerialのギターはFender Japan最初期の品で製造から40年近くが経過しています。Fender Japanギターの立ち位置は「学生でも手が届く価格帯の楽器」であり、ハイエンド機ではなく普及機として多数流通したものだと思いますが、「価格の割につくりは良い」とか「若い頃の思い出の楽器」といったことからか現在はジャパンヴィンテージというジャンルの象徴の一つになり、状態が良いものならば定価より高い中古価格が付く事も珍しくありません。そこにはノスタルジーもありますが、経年変化で熟成した楽器としての魅力も十分に感じられることも多いためか人気は高く、強い思い入れをもつギタリストからその定価を軽く上回るくらいコストのメンテナンス依頼をいただくことも珍しくありません。とはいえ、入手したばかりのギターの場合は最初のメンテナンスはコストをなるべくかけたくないという気持ちにもなるもので、悩む方もおられるでしょう。当店ではそうしたお悩みにも出来るだけ沿いつついくつかの選択肢を提案させていただいています。そうしたお悩みを持ちの方大歓迎!