1980年代後半から90年代前半にかけて製造されていた小型真空管アンプFender Champ 12です。ギタリストのトモ藤田氏が練習用・家用アンプに推していたとのことでここ数年隠れた人気機種になっているようです。Champの名を冠しているとはいえ、出力は約15W、スピーカーは12インチと日本の屋内環境ではちょっと大きいかもしれません。が、クリーンサウンドでの練習なら十分対応できるかと思います。また、小編成でのスタジオリハ、小さめのライブハウスでの使用も行けそうです。当時のFender アンプの看板製品だったThe Twinと同様、それまでのFenderアンプにはなかったドライブチャンネル(Fenderのイメージのクランチサウンドではなくきめの細かいハイゲインドライブ)、プッシュプルスイッチによるミッドブーストモード搭載などFenderアンプとしては異色の存在ですが、クリーン、ドライブ共にその音色はなかなかのもので有名ギタリストが推すのも頷けます。
古い機材ですので現状渡し(保証なし)でのご案内ではありますが、今回の出品にあたって各部接点の洗浄、動作不安の見られた真空管の交換(プリ管一本をSOVTEKへ交換、残る一本も当店入荷前の最近交換済)、摩耗の激しかったインプットジャックの交換も行いました。昨今の世界情勢により真空管価格が高騰、入手も難しくなってきていることやジャックも独自仕様で互換パーツ入手が難しいこともあり、そういった消耗部をしっかりオーバーホールしているのが好ポイントです。さらにスピーカーはトモ藤田氏お気に入りのEMINENCEにアップグレードされておりファンの方にもうれしい仕様かと思います。
サウンドチェック。シールドケーブルはBold Cable FATでアンプ直。
①最初にシングルコイルのギターでクリーンチャンネル。このギターの場合、ギター側のボリュームフルではパンチの効いたクリーン~強いピッキングでほんのわずかに歪むクランチ、ボリュームを少し絞るとすっきりしたクリーンになります。この辺はオーソドックスな1ボリューム真空管アンプに準じる使い勝手。Mid BoostはクリーンでOnにするとやや癖の強いサウンドになります。リバーブの効きはFenderの名を冠したアンプとしてはかなり控えめですが、逆にFenderのびしゃびしゃな残響が苦手な人には調整幅が広く扱いやすいかも。家練習では本クリーンチャンネル+お気に入りの歪ペダルという組み合わせも良さそうです。
②同じギターでドライブチャンネル。オーソドックスなFenderクランチとは異なる粒の細かい歪みでGain 2ぐらいでもかなり歪みます。とは言えゲインを高めにすると音がつぶれてしまうわけではなく、より中低域が豊かにサステインが長くなる印象。Mid Boost はOn Offどちらも魅力的サウンドで、ハイゲインアンプにありがちなドンシャリ過ぎる音にならないのも好ポイント。本チャンネルについては一般家庭での使用には音量が大きすぎかもですが、他のFenderアンプにはないきめの細かいハイゲインドライブはなかなかに魅力的でスタジオに持ち込んで思いっきり鳴らすのは気持ちよさそう。
③ハムバッキングのギターでチェック。動画前半クリーン、後半ドライブチャンネル。
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