Fender JAPAN TC-10R TWEED CHAMP 徹底カスタマイズの例

Fender Japan製のTweed Champ、TC10Rを徹底カスタマイズ!

こちらはお客様からのご依頼でオーバーホール・カスタマイズを行った1990年代製造のFender Japan TC10R、Tweed Champ Reverbです。元々の外観や基本的な回路はそのままですが、ジャックや電源ケーブル、スピーカーケーブルなどの堅牢化、本家Champの特性に近いサウンドとなるMid Boost Modeの追加や、Jensenアルニコスピーカーへの換装、自宅でもボリュームを上げたクランチサウンドを楽しめる3段階のパワーダウンモードの付加など徹底カスタマイズを実施。また、製造から30年近く経過し劣化の懸念がある電解コンデンサーなどもすべて一新。アルニコスピーカーの搭載にあたってはその形状の都合でそのままではキャビネット内には収まらないため、出力管の取り付け位置を変更するといった処置も行いました。Champ系は勿論、オーソドックスなFender系アンプのカスタマイズの例として以下ご紹介します。

サウンドチェック。ギターは当店で制作したTLシンラインタイプ、シールドケーブルはBold Cable FATでアンプ直。アンプのセッティングは動画を通してVolume8(12がフル)、Treble10、Bass12、Reverb5で固定、動画3:08くらいからMid Boostオン、3:55くらいからパワーダウンモード(1/10出力)に切り替えています。ギターボリュームの操作のみクリーン~クランチを行き来してみました。

オリジナルでは国産スピーカーが搭載されていました。今回、本家Tweed Champと同じくJensenアルニコマグネットスピーカーP8Rに換装。このスピーカーは後部が突出した構造で元々の真空管やケーブル類の配置だと収まらないのでそれらの移設も必要だったためなかなかの大工事になりました。この画像右上にプリ管のカバーが見えていますが、元々はその左隣にパワー管が設置されていました。それをスピーカーの左側に移動させています。
スピーカーケーブルはBelden9497に交換。元々は半田付けされていましたが、外部のキャビネットにも簡単につなげるようにフォンプラグとジャック(Switchcraft#280と#11mono Jack)を介した接続へ変更。

本家Fenderの Champは1Volのみという超シンプルな仕様で音色もフラットでMidが豊かですが、Fender Japanのこちらは製造当時の音楽シーンを反映してか オリジナルに比べて中低域を整理したスッキリしたサウンドがデフォルト。今回追加したMid BoostをOnにすることで本家Fender Champに近いサウンドも楽しめます。
Bassつまみをプッシュプルスイッチに変更しており、プルでMid Boost On。
1ボリュームアンプのドライブサウンドは魅力的ですが、たとえ5WのChampでもそこまでボリュームを上げるのは日本の住環境では難しいという現実もあります。そこで出力を下げて起動できるパワーダウンモードも追加。電源スイッチは3wayになっており、手前側が低出力での電源Onで最小で約30分の1出力となります。電源スイッチセンターで電源Off、奥側で通常出力で電源On。
背面に増設された3wayロータリースイッチでパワーダウン時の出力を選択します。約1/4、1/10、1/30が設定できます。外部のアッテネーターをつながなくても手軽に低出力にできるのは便利。
電源ケーブル・プラグも医用の堅牢なものに変更(画像左)。もともとは画像左の家庭用電化製品でよく見かける細いものでした。

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