History GH-SV/C、同ブランドのストラトタイプ最上位機種です。製造は国内メーカーの雄、フジゲン。オーソドックスな外観ながら、各部にこだわり抜いたスペックをもち、そのサウンドは垂涎もの。また、操作性も非常に高く、チューニングの安定性、ピックアップのボリューム反応性、フィンガリングのやりやすさ・・・どこを見てもとても完成度の高い一本。
ネックにはHeritage Woodのメイプル材が採用されています。これは植林された材ではなく、かつて自生していた材を伐採し、何かの都合で運河の底に沈んだままになった物を引き上げ、難しい工程を経て乾燥したというもの。木目が非常に詰まった、ギターを鳴らすためにあるようなメイプル材と言えると思います。指板には純粋なローズウッドに属する「ココボロ」が採用されています。ココボロはマダガスカルローズ、ホンジュラスローズとならぶ希少・高級材。やはりこの材を使用したギターは限られたものになります。ボディもセレクトされた2ピースのアルダーが使用されており非常に鳴りの豊かなギターに仕上がっています。この仕様でこの価格はかなりの破格。
動画です。まずはクリーン。
クランチ。
クランチをさらにゲインブースト
少しMidを強調してみました。
ピックアップはオリジナルのもので、ボリュームによく反応する使いやすいシングルコイルです。写真ではわかりにくい部分も上級の仕様になっており、例えば演奏性に優れたコンパウンドラジウスの指板には美しいポジションマーカーがあしらわれていますし、オイル漬け牛骨ナットは美しく磨き上げられています。電気系もVitaminQオイルコンデンサーやSwitch Craftジャックなどを採用。HistoryブランドとFujigenのタッグによって可能となった子の仕様、他ブランドでは簡単には真似できないでしょう。
演奏性の高さとサウンドのすばらしさ、所有者の満足度を高める外観の美しさをバランスよく備えた至高の一本。日本を代表するギターメーカーによって丁寧に組み上げられたその品質は他のブランドとは一線を画すものかと思います。
ビンテージの雰囲気も持ちつつ、現代的な演奏性や普及機よりも抜きんでたサウンドを求めるギタリストに手に取っていただきたいと思います。また、基本仕様がしっかりした本機を元にお好みのストラトを作り上げるというのも面白そうです。トラディショナルな演奏は元より、現代的な音作りでのリードプレイなどいわゆる「ハイエンドストラト」としてさまざまなジャンルでご使用いただけるオススメの一本!