Ibanez Prestige SV5470F-NBL Mod. (Sold Out)

Ibanezの上位機種 Prestige SV5470F-NBL、オーバーホール済み!

 日本製のIbanez Prestige SV5470F-NBL、2010年製です。メイプルトップ・マホガニーバックのボディはトップ・バック両側ともに滑らかなアーチ形状でボディ周囲のバインディングに囲まれたフレイムメイプルの杢がいい雰囲気でステージ映えしそうな一本です。

 小傷や擦過痕、エッジ部の塗装欠け、メッキ落ちなどの使用感・経年劣化はありますが致命的な損傷はなく、製造から12年経過した中古ギターとしてはまずまず良好な状態かと思います。もともとはボリュームがプッシュプルスイッチになっていてプルで2つのハムバッカーがコイルタップされるという仕様だったのですが、それぞれのハムバッカーを独立してコイルタップできるように2つのミニスイッチでコイルタップするようにモディファイを加えオリジナルではできなかったSSH配列での使用も可能です。またフレットのすり合わせとフレット端の面取り処置のやり直しを行い新品に負けない弾き心地の良さも確保しております。

 Ibanez独自のトレモロユニットの使い勝手の良さや革新的なPUシステムによるサウンドバリエーションの広さは多くのジャンルに対応してくれると思います。もともと新品定価20万円越えの上位機種、中古とはいえこの価格でしっかりメンテもされているとなるとかなりのコスパの良さかと思います。生産完了から6年、探している人は勿論ですがギターを始めたばかりの初心者や学生さんにもおすすめです。

サウンドチェック。まずはドライブサウンド。アンプはFender Vibro King、メインの歪はWEEHBO Effekte JTM Driveで前段のXotic BB Preampでゲインブースト。

 

先のドライブサウンドのゲインブーストをOFFしたクランチ。

 

最後にクリーン。エフェクトなし。

 

 

 ボディトップはシースルーブルーにフレイムメイプルの杢が美しいです。画像ではわかりにくいですがよく見ると弾き傷や擦過痕など使用感があります。トレモロユニットはIbanez オリジナルのSychroniZR Tremolo。メッキのはがれが見られますが動作は良好です。コントロールは5wayスイッチにマスターボリュームとマスタートーン、 これらは新品パーツに交換(後述)、それに伴いノブもGOTOH製ドームノブに新調。 今回増設した2つのミニスイッチはフロント・リアPUのハムバッキングとシングルコイルの切り替え。トグルが画像の向きでハムバッキングとなります。操作に慣れればミニスイッチ二つを同時に操作することも可能ですし、片方だけコイルタップしてSSH配列として演奏することも可能。
 搭載されているハムバッキングPU Ibanez True-Duo Blast内側(センターPU側)がフェライトマグネット 、外側アルニコマグネットポールピースとなっており、さらにアルニコ側のコイルの下にはもう一つコイルが内蔵されており、前述ミニスイッチでのコイルタップ時はアルニコマグネットのコイル+アディショナルコイルで駆動するという凝った仕様です。「ハムバッキングのコイルタップは通常のシングルに比べて細すぎる」という不満はよく聞きますが、本PUでは一般的なFenderタイプのスタンダードなシングルコイルのようにポールピースをアルニコマグネットとし、さらに駆動時にコイルが追加されることで出力とシングルコイルらしさを稼ぐことを目指した構造かと思います。センターPUIbanez Short Tracerはシングルコイルピックアップ。ハーフトーンポジション(5wayスイッチの2番目と4番目)ではフロント・リアともにシングルコイルで出力されるので通常のストラトのハーフトーンのように扱えますが、ミニスイッチOnの状態ではフロント・リアPUは外側のコイル、Offの状態では内側のコイルとセンターPUのハーフトーンになり、それそれキャラクターにも違いがあります。
オリジナルでは特注品と思われるスイッチ付きPOTがボリュームに使用されていましたが 当店入荷時点でガリがひどく音が途切れるような状態だったのでCTS Custom POTに新調、搭載されていたハイパスコンデンサーもマイカコンデンサーにグレードアップ。 本機はボディ周辺が非常に薄く、コントロール部の部品スペースも限られるため今回増設したミニスイッチは通常のものよりさらに小さなものを使用、さらに狭いスペースにきっちり納めて強度も確保するために取り付け部位を補強材で囲っています(ジャックの下がそれら)。また、キャビティ内は改めてシールド処理をやり直して外来ノイズからしっかりガード。トーンもCTS Custom POTで新調、コンデンサーはOrange Drop 716P 0.022μFに交換。スイッチとジャックはオリジナルのものです。
ボディサイド。ボディ中央から周辺まで滑らかなカーブで外側ほどボディが薄くなっているのがわかります。一番薄い部分はカッタウェイの先端付近で厚さ12mm。付属しているアームバーはアルミ製で軽量、操作性も良好です。
ボディバック。小傷等使用感はありますがトップ同様、経年数の割に良好な状態です。トレモロユニット部のパネルは外してあります。
本機搭載のトレモロユニットはIbanezオリジナルのSynchroni ZR TremoloとZPS FX-Stavilizerのコンビ。各スプリングはドライバーなどを使わずにボディ裏側からアクセスできる二つのホイールを回転させることで調整します。 トレモロ自体は一般的なシンクロタイプにBigsbyのようなベアリングシャフトの仕組みを取り入れたいいとこどりな構造で操作性・安定性ともに抜群です。ZPS FX-Stavilizerによってトレモロユニットの稼働範囲を固定できるのも面白いところ。当店で調整も承っておりますので必要に応じてご相談ください。トレモロの取説は星野楽器サイトでダウンロード可能、必要な方はご参照ください。
 トレモロキャビティのパネルはねじ部分に亀裂が生じています。破断まで至っておりませんが、取り付けの際にねじを強く締めすぎないように注意が必要です。なお、このパネルはボディの振動をミューとしてしまう副作用もある部品で必ずしも取り付けなければならないものではないので仮にねじ部が破断して取り付けできなくなっても問題なく演奏できます。
ボディの傷等。
ネックは安定性の高いメイプルとウォルナットの5ピース構造に色の濃いローズウッド指板。トラスロッドの余裕あります。ネック裏矢印の箇所に線状の傷(全長11㎜ほど)があります。
当店入荷時にはフレットの若干の摩耗、押弦痕、いくつかのフレットの浮きが見られましたが、これらすべて修繕の上でフレットすり合わせとフレット両端の面取りのやり直しも実施、現在は新品に負けない弾き心地を確保しています。すり合わせ後のフレットの高さは一番低い箇所で約1.2mm(フレットはカタログ上では「ジャンボフレット」としか記載がなかったのですが、おそらくは三晃社の高さ1.3mm幅2.9mmのジャンボフレット(SBB-215)と思われます。また、ナットはブラックタスクと思われます。
ヘッド。画像ではわかりにくい程度の線傷などがあります。またメーカーロゴの「Z」の右下エッジ部は塗装欠け痕があります(矢印の箇所、簡易的に樹脂で埋めて補修してあります)。ペグはロック式で、余分な弦がオートで切断されるという優れもの。このペグはコスモブラックのメッキがされていますが、コスモブラックが落ちて下地のシルバーが露出してきています。また、弦を取り付ける際に目印にするペグポストのトップの突起が2弦ペグだけ欠損しておりますので、弦を張る際は2弦ペグポストの向きに注意が必要です。突起はが収まっていた穴は視認できるのでそれを目印にするとよいかと思います。もちろんペグ自体の動作は全く問題ありません。
付属のハードケース。新品時付属していたメンテナンス用のレンチ等は欠品していますので必要に応じてご準備ください(後述)。

 弦はDaddario EXL120(09-42)をレギュラーチューニングで張ってあります。弦高1弦12フレット1.3mm、6弦1.8mm、トレモロは3弦開放が1音ほどアームアップできるようにセットアップしてあります。

 新品時付属していたメンテナンス用のレンチ等は欠品していますのでご自身で調整される方は必要に応じてご準備ください。ネック調整には7mmのパイプレンチ、トレモロ部スタッドの調整には8mmのパイプレンチまたはメガネレンチあるいは3mmの六角レンチ、オクターブ調整には2mmの六角レンチが必要です。絶対必要ではありませんがM4の指でも回せるタイプの長さ20㎜以上のビスがあるとオクターブ調整の時に便利です。いずれもホームセンターなどで容易に手に入る工具ですが、トレモロの調整は仕組みを正確に理解している必要があるので、自信がない場合は調整は信頼できるショップに任せた方が無難です。勿論当店でも調整を承っておりますので遠慮なくご相談ください。

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