ST Type コンポーネント制作

既成パーツで組み上げさせていただいたST Type。

お客様のご依頼でコンポ―ネント制作したST Typeです。パーツは基本的にお客様がお好みのものを持ち込んで、当店ではそれらを必要に応じて微修正を加えたうえで組み上げ、調整を行わせていただきました。

今回はUSA製のボディとネック(それぞれ別ブランド)、Fender純正のトレモロ、PU、現行クルーソンペグ等をお客様が持ち込まれ、それらを元にスタンダードなストラトキャスターとなるように仕上げさせていただきました。

サウンドチェック。アンプはFender Vibro King。最初にWEEHBO Effkte JTM Driveで歪ませたクランチ。

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

最後にクリーン。シールドケーブルはBold Cable FATでアンプ直。

ボディトップ側。ボディはアッシュ製でもともとエイジド加工が加えられたものです。ピックアップはFender Custom Shop Custom’69(アビゲイルイバラ女史の手巻きと思われます)、ピックガードはMontreuxのReal Celluloid、トレモロはFender純正とご依頼主のこだわりのチョイスです。
ボディバック。エイジド加工の感じが渋いです。トレモロキャビティのバックパネルはなしです。
細かなことですが、ホーン部のストラップピンはホーン部の丸みに合わせて底面を丸く加工を加えて取り付けています(赤矢印の箇所)。
ボディのザクリはそのままでは今回採用したCRL5wayスイッチが収まらなかったので、一部ほんの少しだけ拡張しました。またネックポケットも取り付けるネックに少し合わなかったので微修正を加えています。製造元が異なるパーツを組み合わせたコンポーネントの場合、微妙な位置違いやサイズ違いなどによってこういった微調整が必要になることが多いですが、今回は比較的少ない作業で済んでいます。
配線はスタンダードなストラトと同じになっています。配線材はFenderおなじみのクロスワイアー、半田はKester44、キャパシタはJupiter、POTはCTS Custom POT250kΩAカーブ、スイッチは最近大幅値上げされたCRL(値上げ前にゲットしたのでセーフ!)。ピックアップ裏にアビゲイル女史と思われる「AY」のサインが入っています。
ネックはアメリカの有名パーツブランドのローズ指板で22フレット仕様、エイジド加工が加えられたものです。ネック裏の塗装が大胆にはがされています。フレットの高さが若干そろっていなかったので軽くフレット擦り合わせを行い、フレットエッジの角を整える加工を行いました。また、ナットは元々タスク製のものが取り付けられていたのですが、無垢の牛骨材から制作したものに交換。既製品のネックはフレットやナットが取り付けられた状態で売られているものがほとんどですが、意外と精度が出ていなかったりするので擦り合わせが必要になるケースは多いと思います。
フレットを打ち込む溝の深さがフレットの足の長さよりもあり、画像左側矢印の箇所のように指板サイドに穴が開いていました。汚れがたまったり水気が入り込んでフレット浮きを誘引したりする懸念があるので綺麗に埋めて仕上げました。
ヘッド。ペグは現行のクルーソンをチョイス。もともと開いていたペグ取り付け穴は小さすぎたので、この穴を適正サイズに拡張した上で取り付けています。

今回コンポーネント制作もそうですが、好みのパーツを集めてギターを組み上げる場合に取り付け位置がパーツメーカーごとに微妙に違っていたり、サイズが合わなかったりすることが多いですが、それらをうまく微修正を加えて組み上げればメーカーのカタログ製品にはない自分だけの一本をゲットできます。特にストラトタイプやテレキャスタイプはパーツの選択肢も豊富でメーカー品でなかなか自分好みの仕様なかったり、あっても高価すぎたりして涙を呑んでいる方には「コンポーネント制作」はオススメ!

今回はお客様がほとんどすべてのパーツを持ち込まれてのご依頼でしたが、当店で国産のボディやネック、各種パーツ類を取り寄せることもできます。コンポーネント制作にご興味のある方ぜひご相談ください。

 

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