ボディトップ。製造からの経過年数相応に使用感があります。小傷、打痕等が散見される他オールラッカー塗装のGibsonギターらしい細かな塗装クラックも見られますが、不自然な損傷はなく、ヴィンテージギターのような貫禄ある外観なのが好ポイント。ブリッジ部。画像の通りサドルはかなり摩耗、劣化しています。現状でもオクターブ等問題なく調整できていますが、そろそろ寿命かと思いますのでブリッジ交換も念頭に置くとよいかと思います。ブリッジを支えている低音弦側のスタッドとホイールは錆によって固着しています。そのため、ブリッジ高調整の際ホイールと一緒にスタッドも回転してしまいます(通常はホイールのみ上限させれブリッジ高調整)。今回調整した弦高程度であれば現在の状態でも問題ありませんが、さらに高い弦高にする場合はこのままのスタッドでは過度にぐらついたり、場合によってはスタッドが埋まっているボディ側のネジ穴を破損する恐れもありますので、ブリッジ交換と合わせてのスタッド交換することをオススメします。ボディサイド。エッジ部分の塗装の落ち方がヴィンテージギターぽくて渋いです。ストラップピンを移動した痕跡(古いネジ穴)が見られます。ボディバック。スルーネック構造であることがわかります。ベルトバックルの痕など使用感があります。コントロールキャビティ内部。コンデンサーが近年の日本製VitaminQオイルコンデンサーに置き換えられています(Del Ritmo Black Candy)。ガリなどなく正常に稼働します。ネックはスルーネック構造です。後述の通りフレット等消耗部の摩耗はありますが、ネック本体は問題ありません。古いラッカー塗装のネックは塗装の劣化が著しく、手触りが悪い場合もありますが、本機は経過年数のわりに良好です。トラスロッドの余裕もあります。弦長はレスポールなどと同じミディアムスケール。 フレットはプレーン弦のロー~ミディポジションを中心に摩耗による凹みが見られます。現在のセッティングで音づまり等なく演奏できますが、よりシビアにセッティングしたい場合はフレット擦り合わせが必要かと思います。画像には写っていませんが、ナットの溝も限界に近く(特に4弦)、交換をお勧めします。ヘッド。ペグがオリジナルのバンジョータイプからギアレスチューナーへ交換されており、元々のペグのビス穴が残っています。ギアレスチューナーへの交換はヘッド側に重心が寄りがちなFirebirdタイプの定番の改造ですので、この点もお買い得感があります。ギアレスチューナーだと小さな音程の調整がやりやすいというメリットも。付属のソフトケースはGibsonのものではなく、古い国産ギターの物のようです。ファスナーが一部壊れています(画像右側)。