カスタムショップブランドとして再出発した87年以降から90年代にかけてのものと思われるSCHECTERのストラトタイプです。ハイエンドブランド定番の見事なバーズアイのネックとメイプル・マホガニー・メイプルの三層構造のボディというFenderとは異なる非常に凝った仕様ですが、ピックアップはSeymour DuncanのSSL1×2,SSL4×1に交換されており、使用感はFenderのストラトに近いものがあります。
動画です。Crunch程度の歪をブースターでゲインアップしています。あとはボリュームの操作で音色調整。
クリーン
クランチ
現状で演奏に支障はないものの、PUを始め、オリジナル状態から手を入れている部分が散見されることと、型番や年式が明らかでないため、非常にお買い得な価格となっています。
ボディトップ&バックのメイプルの杢の美しさは特筆です。サウンド面でもメイプルのエッジ、アタックにマホガニーの中低域の太さも加わるような仕様で、レスポールのようにハイゲインサンドでの太いリードトーンは気持ち良いです。写真ではわかりにくいですがトレモロブロックやブリッジサドルがブラス製なのもこだわりの一部かと思います。
見事なバーズアイメイプルのネック。バーズアイは反りやすいとの話がありますが、本機はそんなことはなくトラスロッドも十分に余裕があります。フレットはジャンボタイプが打たれています。減りは少なく、凹みはないのでまだまだ長く使い込める状態。ポジションマーカーはサイドのみつけられています。ペグは高音弦側のポストが低くなっているタイプでストリングリテイナーは省略されています。仕上げはラッカーフィニッシュで、経年による塗装のやせで木材の質感が浮き出てきている部分があります。渋い飴色のトップコートに見えるかもしれませんが、元々ではなく経年による焼けです。ナットは牛骨。
サドルはブラス製。先日紹介した87年製と異なり、メッキが施されており、経年によってメッキがはがれてきています。元がブラスなので磨くことで金色に輝かせることもできるでしょう。ブリッジプレートはFender製の6点止めタイプですが、ネジは4本に省略されています。これは元々の仕様ではなく以前のオーナーさんの改造と思われます。通常プレート止めの6本ねじよりも深くネジが入り込んでおり、ネジ先端はトレモロのキャビネットにまで至っています。
トレモロのキャビティーに4本のネジの頭が顔をのぞかせています。ここのネジの深さはシビアで、ボディの厚さによっては余裕がない部分で、時々こういった仕様のストラトタイプは見かけます。実用上はスプリングの下になるので問題ないでしょう。トレモロブロックは表面が酸化しているのでわかりにくいですがブラス製のものです。
PUのキャビティは3ハム仕様になっています。
PUはフロント&センターがSSL-1、リアはSSL-4とのこと。SCHECTERであれば新品時にはSSL-4ではなくMonster Toneを選択するとおおわれますが、PUのキャビティがハム仕様なので、もともとは3H,HSHなどの現代的な仕様だったものを改造したことが想像できます。
今回のSCHECTERはオリジナルの状態であればおそらく倍以上の値がつくギターだと思われますが、今回は改造が多数施されているため非常にお買い得な価格になります。勿論そのままでもご使用いただけますが、多層構造のボディやバーズアイのネックなどはそのままにお客様のお好みのパーツに交換、改造してオリジナルストラトを作るのも楽しいと思います。もちろん、本機をもとにしたカスタマイズのご相談も承ります。
ご興味ある方、是非お問い合わせください!