American Vintageシリーズ初期の1992年製のジャズベース!
80年代末から2010年代まで続いたFenderのヴィンテージ復刻モデル、American Vintage 62Jazz Bass、1992年製です。モデル名では1962年タイプをうたっていますが実際の歴史では61年中期までの仕様だった2スタックノブ仕様となっているのが面白いところです。(ネックポケット内のスタンプから92年製の62 Jazz Bassと判断していますが、ひょっとしたら62Jazz Bassのコントロール部のみ2スタック仕様にして「61 Jazz Bass」として販売していたなんてことも想像できます。)
62Jazz Bassは製造終了まで30年近く続いたロングセラー機で現在も中古市場でよく見かけますが、本機のように2スタックノブ仕様はわずかで(初期製造のみ?)、本来の62年仕様である2Vol 1Toneの3ノブ仕様の方が圧倒的に多くなっています。今回出品の本機は以前のオーナーさんの扱いが良かったのか、製造から30年以上も経過しているにしては使用感や損傷が少なく良好な状態です。近い将来ヴィンテージ楽器の仲間入りをすることも期待できるのも魅力では・・・。
サウンドチェック。アンプはPhill Jones Bass Cub、シールドケーブルはBold Cable FATでアンプ直。指弾き。
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同じ機材でピック弾き。
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ボディトップ。細かな打痕や塗装欠け、傷、メッキのくすみなどの経年劣化、軽微な損傷はありますが、製造からの経過年数の割にそれらは少なく比較的きれいな状態を保っています。
ジャズベースタイプでは2Vol 1Toneの3ノブ仕様がスタンダードですが、本機はピックアップごとにボリュームとトーンをコントロールできる2スタックノブ仕様(1961年中期までの仕様)。ノブの上側(クロームメッキ部)がボリューム、下側(黒のホイール部)がトーンとなっています。トーンは回すとロータリースイッチのようにクリックがあります。このクリックが苦手な場合はPOTを固定している六角ナットとコントロールプレートの間に挟まれた専用のワッシャーを通常のワッシャーに交換することクリックのない通常の連続的操作に変更可能。電気部分はじめ各パーツはオリジナルのまま。POTの背面のナンバーから1990年製のPOTであることがわかります。トーンのコンデンサーはセラミックディスクで、フロントが0.05μF、リアが0.033μFと61年の仕様を踏襲しています。 コントロールプレートを取り付けているビスのビス穴が一か所2重に空いていますが(赤矢印の箇所)、プレートの下に隠れるので気にならないでしょう。もちろんビスの固定も問題ありません。
ブリッジ。 今回の出品に際してクリーニングしてごらんのとおり綺麗ですが、 さすがに30年以上たっていることもあり、よく見れば小傷やメッキのくすみといった使用感、経年変化もあります。
ボディバック。トップ側同様、打痕等使用感はあるものの経過年数の割にきれいです。中古品にありがちなベルトバックル痕やエッジ部分の大きな塗装欠けのような目立つ損傷はありません。
ボディサイド。ストラップピンは他のメッキパーツに比べて錆が多くみられます。
ネックポケットに1992年10月製造を示すスタンプ、62年JazzBassのサンバーストを示すと思われる62JBSBというスタンプが確認できます。ネックはシムを仕込んでほんの少し角度をつけて取り付けてあります。
ネック。目立つ損傷はなく中古品としては綺麗な状態と言えます。トラスロッドの余裕もあります。
指板のローズウッドは比較的色の濃いものが使われていて貫禄のある見た目。8フレットの傍にやや大きなえぐれがあります。フレットはオリジナルのままかと思われるスモールフレット、目立つ凹みはなく全体的な摩耗量も少ないと思いますが、もともと背の低いフレットですので今後の摩耗の進み具合によってはすり合わせはせず新しいフレットに打ち換えた方が良いかもしれません。あるいはモダンな背の高いフレットに慣れている方は最初からフレット交換する前提でご検討いただいても良いかと思います。もちろん当店でもフレット交換を承っておりますので遠慮なくご相談ください。
ヘッド。American Vintageシリーズでは経年劣化等でトップのラッカーがや焼けたり、ブランドロゴのデカールがはがれたりしている個体が多いですが本機はきれいに保たれています。ラッカーの焼けが少ないことから弾かないときはしっかりケースに入れて保管されていたことが伺えます。
ヘッドのエッジ部分に若干の塗装欠けが見られますがそれも中古品としてはわずかな損傷でしょう。ペグはしっかりクリーニングしてあり動作も良好。
オリジナルのツイードハードケース、オーナーズマニュアルなどの書類、未開封のクロス、ピックアップフェンス、ブリッジカバー、ミュートパーツ(これは初めてみたので後年の62Jazzbassには付属していなかったかも)、調整に使用するドライバーなど紛失しがちな付属品もしっかり残っています。ドライバーが収められたケースには空いているスペース(↓の箇所)があり、その形状からひょっとしたらレンチが入っていたのかもしれませんが、本機の調整でレンチは使用しないので最初から何も入っていなかったのかも。
弦はDaddario EXL170(45-100)をレギュラーチューニングで張ってあり、弦高は1弦12フレット2.2mm、4弦2.8mmに調整。USA産のスタンダードベースをお探しの方は勿論、パーフェロー指板やポリ系フィニッシュではなく、ローズ指板でラッカー仕上げにこだわりたいというベーシストにもお勧め。ジャズベース最初期の仕様を踏襲しているところに魅力を感じる方も是非ご検討を!
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