Ibanez AR-300CS 1982年製(Sold Out)

国産名機AR-300CS、82年製!

1982年フジゲン製造のIbanez AR-300CSです。人気が再燃しているジャパンヴィンテージギターの中でも国産オリジナルシェイプの代表格ともいえるIbanez アーティストシリーズですが、今回出品のAR-300CSくらいに状態が保たれているのは珍しいかもしれません。

 上画像の通り鮮やかなチェリーサンバーストにフレイム杢、エボニー指板上の雅なインレイなど美しいデザインが目を引きます。小傷や打痕、金属パーツのくすみ、メッキ剥がれ、腐食など経年劣化・使用感はありますが、製造から40年経過したARシリーズとしては比較的良好な状態を保っています。本機含む80年初頭製造の同機ではバインディング部の激しい経年劣化(バインディング材収縮、ひび割れ、それに伴うトップコートの浮き・割れ・剝れ)が見られることが多く、当店でも補修を施した例が複数ございますが、今回出品のこちらは劣化こそしていますが比較的軽度。今回の出品にあたっては摩耗していたフレットとナットを交換、新品に負けない弾き心地を確保しました。また、バインディング部も部分的に補修を加えより万全を期しました。電気部分はすべてオリジナルパーツ。操作時に若干のガリが出ることもありますが40年以上経過している割に動作は良好です。

サウンドチェック。アンプはFender Vibro King。

クリーン。エフェクトなし。

 

クランチサウンド。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

 

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

ボディトップ。細かいフレイム杢のメイプルトップにチェリーサンバーストの塗装が映えます。塗装部よく見ると擦過痕などが見られますが中古品としてはきれいな状態を保っています。
 金属パーツにはメッキ剥がれ、腐食などが見られますが致命的な損傷はなく機能上も問題ありません。おそらく前オーナーさんがしっかり手入れされていたのでしょう。ボリューム・トーンのノブに亀裂が入っているものがありますがこちらも問題なく操作できます。PUセレクターの取り付けはゴム製のアダプターを介してアーチトップの形状に合わせる構造。このアダプターもボロボロに劣化してしまっていることが多く、専用パーツを自作して補ったりすることもありましたが、今回は劣化も少なくそのままでまだしっかりしています。ミニスイッチは3点式で各PUのシリーズ接続(ハムバッキングサウンド)、スプリットコイル、パラレル(シングルコイルサウンド)の切り替えです。
 電気パーツは全てオリジナルのもの。古いものですので操作時に少しガリが出ることがありますが、許容範囲内かと思います。気になる場合は操作系のパーツは交換しても良いかと思いますが、本機は専用のシールドパーツで回路を覆う凝った構造ですので現行パーツに交換する際は現在一般的なシールド処理に変更しつつパーツ交換するか、既存のシールドパーツをそのまま用いるかの検討をお勧めします。勿論当店でも対応可能ですので遠慮なくご相談ください。
ボディトップ周辺部。カッタウェイ部のバインディングの欠けた個所と心配な箇所の補修・補強を加えてあります。
ボディサイド。ボディトップフレイムメイプルのアーチ形状が綺麗です。ボディバックはマホガニー材。
ボディバック。トップ側に比べると米粒大の打痕や擦過痕などはありますが、それでも40年以上の経過年数を考えると使用感は少なめと言えるでしょう。
ボディバックに見られる傷等。
ネック材は3ピースメイプルにエボニー指板です。弦長はミディアム(628mm)、ナット幅43mm。目立つ損傷はなく、今回フレット交換を行っているため指板面がきれいなのは当然ですがネック裏の塗装部もきれいな状態でネックだけ見ると82年製とは思えません。もちろんトラスロッドの余裕もあります。
もともとのフレットは摩耗でかなり平らに摩耗していたので、出品にあたって新しいフレットに打ち換え。新しいフレットは人気のナロージャンボタイプ(三晃SBB214H)です。このフレットは高さはジャンボフレット並みで押弦しやすいですが、幅はスモールフレットとジャンボフレットの間くらいの2.4mmで見た目もすっきりしています。同時に交換したナットはラクダ骨から削り出し制作したもの。ラクダ骨は一般的な牛骨に比べて少し密度が高い材で「牛骨よりちょっと贅沢な材」です。音の方は牛骨と大差なく違和感なく演奏できます。
ヘッド。中古ギターにありがちなエッジ部の塗装欠けはなく、塗膜表面によく見るとわかる程度の小傷・擦過痕がある程度。ペグのゴールドメッキは劣化して剥がれたり腐食したりしてはいますが動作には問題ありません。このペグは弦を張る際にFenderのクルータイプのような上からポストの穴に弦を差し込む方法と一般的なポストの穴に横から弦を差し込んで巻きつける2通りの張り方ができます。ナット部での弦の折れ曲がり角度を稼ぎたい場合は後者の巻き方がお勧めですが、そこにこだわりなければお好みの巻き方をしてよいと思います。今回は後者でセッティング。
専用ハードケースが付属します。画像右は純正のピックアップカバー(未開封品)でこちらも付属します。

弦はDaddario EXL110(10-46)をレギュラーチューニングで張っています。弦高は1弦12フレット1.3mm、6弦は1.8mmに調整してあります。フレットは新品ですので今後長く付き合って行けるでしょう。ジャパンヴィンテージファンの方、コレクターはもちろんプレイヤー志向の方にもおすすめです。単純に見た目が気に入ったという若いプレイヤーが持ってもカッコいいかも。

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