上画像は当店で施工させていただいたピックガードのエイジド加工前後の様子です。ギターはFender Custom ShopのCustom TelecasterのRelic品で、塗装部にエイジド加工は加えられていますが少し控えめでバインディングについては焼けた様子まで再現せず、ピックガード、ビス類はエイジド加工なしでした。今回のご依頼では「ピックガードのエイジド加工」だったのですが、がっつり経年劣化・摩耗を再現してしまうとバインディングの明るい色合いとの間に違和感を感じると考えやや控えめな加工にとどめています。
当店ではピックガードやバックパネル、トラスロッドカバー、各部ノブのエイジド加工も承ております。基本的にはギター・ベース本体ごとお預かりしての施工となります。部品だけを持ち込み・送付してご依頼したいとのお問い合わせもちょくちょくいただくのですが、楽器全体の外観のバランスを考えてエイジド加工をしないと、「エイジド加工した部品だけやけにボロボロで不自然」「傷や汚れの入り方がエイジド加工していない部位と整合性が取れておらず不自然」ということが生じやすいと考えており、部品のみ持ち込みでのご依頼はなるべくご遠慮いただけるようお願いしております。今回の場合、事前にご依頼主様より「レリックモデルだが、ピックガードは通常の新品状態」「バインディングが白い(焼けを再現したエイジド加工はくわえられておらず通常の新品に近い色合い)」とお話もいただいており、実機でもそれを確認したのでピックガードのエイジド加工もそこだけやけに劣化しているようにならないようにバランスを考えて対処しています。完成した状態では正直なところはバインディングの色が少しきれいすぎる印象もあるのですが、本機はラッカー塗装されており、比較的早い段階でトップコートの焼けで真っ白いバインディングが黄褐色に変化するでしょうし、バインディング材自体も色焼けはしてくると思われるので全体の見た目も時間経過とともによりなじんでくると考えています。もっともパーツがすべて同じように劣化するものではなく、材質の違いや塗装の有無の差もあるので見た目の色合いが同じである必要もないでしょう。
以上、プラスチックパーツのエイジド加工の一例としてご参考にしていただければ幸いです。
おまけ
いい感じのテレキャスだったのでご依頼主にご許可を頂いてサウンドチェック動画も撮影させていただきました。
クリーン。アンプはFender Vibro King。エフェクトなし。
クランチ。歪はWEEHBO Effkte JTM Drive。
先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。