1978年製 Gibson J-50 Deluxe (Sold Out)

スクェアショルダーが特長の70年代のGibson J-50DX!

1978年製のGibson J-50DXです。もともとプロギタリストが所有し、レコーディングなどで使用されていた経緯があるギターでかなり弾きこまれていて当店入荷時はフレットの減りが著しく、なおかつ近年は弾かれることはなく放置されていたとのことでブリッジの剥がれも見られました。今回の出品にあたってはフレット交換、ナット交換、指板修正、ブリッジ再貼り付け及び補強、ブリッジピンの交換など比較的大掛かりなメンテを加えていることや過去の修理履歴もあるので特価での出品とさせていただいておりますが、年代物のギターではどうしても消耗部の磨耗が気になるところ、その点フレットなど新しくなっており、積極的に弾きこんでいこうというプレイヤー志向の方にはかなりお買い得!

サウンドチェック。ZOOMQ4で撮影、内蔵マイクで録音。

まずはピック弾き。

指弾き。

ボディトップ。古いギターでよく見られるブリッジ周辺の盛り上がり、浪打ちなどはほとんど見られません。よく見るとトップコートのクラックも見られますが、古いギターとしては少ない方かと思います。サウンドホールの下側はピッキングで削れていますが、それが弾きこまれてきたことを物語っています。
ブリッジは当店入荷時浮いていたのでいったん剥がして張り直しています。木目・色合いからハカランダ材で作られているように思われます(たまたまあった端材で作ったのでしょうか?)。また、弦がサドルを押さえる力を稼ぐためでしょうかブリッジピンの穴に溝が加えられておりそれに伴って穴も若干拡張され、通常のブリッジピンではゆるい状態であったので新しく用意したローズウッド製のブリッジピンに0.2mm厚のローズウッドを巻き付け・貼り付けて使用。さらに、ブリッジが再び剥がれないように新たに制作したローズウッド製の補強板(ボディ内側)とブリッジでボディトップのスプルース材を挟む形で2本のビスで固定しています。(ボディトップ2か所の白いインレイの下にビスが仕込んであります。)
サウンドホールから見えるラベル。型名「J-50DELUXE」が印刷されています。
ボディバック。年代を考えると比較的傷は少なめでしょうか。ボディ中央付近にはベルトバックルの痕が見られます。ブックマッチされたボディバックのマホガニーの接着面、エンドストラップピン側に比較的大き目のクラック、そこから5cmほど離れた箇所にも同様のクラック(写真で見える白い筋)がありますが、木部は大丈夫です。
ボディサイド。赤矢印から黄色矢印に至る大きな亀裂があります。かなり前に起こった故障でなぜこのような亀裂が生じたのか不明なのですが、しっかり接着補修されており使用上問題はありません(前オーナーさんも気にせずに愛用されていました)。エンドストラップピンはMontreuxのローズウッド製のものを取り付けてあります。
今回の出品にあたってフレットは新しいものに打ち直しており、摩耗はまったくありません。合わせてナットも牛骨製に交換、指板も若干修正を加えてあります。弦はDaddario Phosphere Bronzeのライトゲージ(012~053)をレギュラーチューニングで張っています。弦高は1弦12フレット2.5mm、6弦は3.1mmとなっています。
この年代の特長であるメイプル3ピースのネック、ボリュート付き。トラスロッドは余裕があります。
ヘッド。年代物では落ちやすいGibsonのロゴは健在。ペグのメッキはくすみがありますが年代の割にきれいな状態。3弦ペグはシャフトが少し曲がっていますが、動作も問題なし。
通常のJ-45,J-50は3連のペグですが、本機は各弦独立タイプ。ペグのカバーにはGibsonの刻印が入っています。
付属のハードケース。Gibsonのものではない樹脂外装のものですが、サイズはぴったり。赤矢印の脚が欠品、黄色矢印の足の周辺の外装材は亀裂が入っていて押すと足が凹みますが、使用上は問題ありません。

J-50,J-45と言えば50年代、60年代のラウンドショルダータイプを思い浮かべる方も多いかと思いますが、70年代は本機のようにスクェアショルダー型となっていて、見た目の印象はHummingbirdやDoveにも通じます。マーチンのドレッドノートよりもやや大きめのボディから生み出される迫力のサウンドはパワフルなコードストロークでの弾き語りからソロギターまで幅広く活躍してくれるかと思います。

フレットは新しく打ち直されているので古いギターにありがちな「摩耗部のメンテナンスが気になる」という心配も少なく、プレイヤーにはお買い得な一本ではないでしょうか。

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